童男山古墳|筑紫君一族の墓、八女古墳群を歩く【Part4 八女群・童男山小群】
丸山古墳を中心とする釘崎・立山山小群からさらに東側には、同じく八女群の童男山小群があります。これら2つの小群は、火国(熊本県)の系譜をひく一族の墓だと見られれています。八女古墳群の最東端、童男山小群を歩きます。
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童男山小群
八女丘陵を降り、丸山古墳から東に向かって30分ほど歩くと、童男山小群の築かれた山が見えてきます。この山一帯に、6世紀半ばから後半にかけて巨大な円墳が築造され続けました。
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まずは竹林の中の童男山25号古墳。立派な複室構造の横穴式石室をもつ円墳です。
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竹林の外縁に沿って東に進むと、丘陵斜面の下から上にかけて古墳が築かれています。大きなものの中で、最も低い位置にあるのは童男山3号古墳。
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少し登ると童男山2号古墳。
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最も上には童男山1号古墳。径48mの円墳で、6世紀後半の築造です。石室は複室構造の横穴式石室で、内部には石屋形をもっています。
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童男山小群はこれまで見てきた八女群とは異なる丘陵に築かれており、他の小群とは距離も離れているため区別して捉えた方がいいのかもしれません。その石室は火国(熊本県)の系譜を引いているらしく、南方から進出してきた者たちの古墳だと想定されています。磐井の乱後に弱体化した筑紫君の隙をついて北上してきた火国の集団か、あるいはヤマト王権の指示で監視役となった者たちか・・・。
この童男山小群以後、八女古墳群では古墳が築造されなくなり、ほどなくして古墳時代そのものが終焉を迎えます。磐井の乱から百年が経過しようとしており、ヤマト王権の支配は地方まで浸透し、揺るぎないものへとなっていました。
東西に長い八女丘陵には、石人山古墳(古墳時代中期・5世紀前半)から童男山1号古墳(古墳時代後期・6世紀後半)まで、100mを超える前方後円墳や小規模ながら立派な石室をもつ円墳など、多様な古墳が築かれました。磐井の乱ゆかりの古墳のみならず、複室構造の横穴式石室・石室内の石屋形・石人石馬などの石製表飾・石室内部の装飾など、畿内では見ることのできない古墳文化が凝縮しています。
基本情報
- 指定:福岡県指定「童男山古墳」
- 住所:福岡県八女市山内
- 施設:岩戸山歴史文化交流館(外部サイト)